Blenderのパーティクルを使って、泡が勢いよく噴き出すアニメーションを作ります。
実はこの記事、2021年(Blender 2.9x)に書きかけたまま、下書きで眠っていました。今回、2026年10月時点の最新版 Blender 5.2 LTS で手順を一つずつ動かし直し、設定を変えると泡がどう変わるかを実際にレンダーして比べました。
先に結論を言うと、5年前の手順は今でもほぼそのまま通じます。ただし1か所だけ、知らないと「泡が1つも映らない」落とし穴があります。
完成形:こんな泡が噴き出します

Blender 5.2 LTS・Cyclesでレンダーしたアニメーションです(34コマをGIFにしたもの)。この記事の手順に、後半の「もっと泡らしくするコツ」をいくつか足して作っています。
設定を1つ変えると、泡はこう変わる

同じ場面で、設定を1つずつ足していったものです。速度を上げると横に飛び、大きさをばらつかせると泡らしくなり、ブラウン運動を入れるとまっすぐな列がくずれて散ります。ここからは、この状態を作る手順を順番に説明します。
手順
※手順の画面写真は2021年当時(Blender 2.9x・日本語表示)のものです。5.2でも項目の並びと名前は大きく変わっていません。
1. 噴き出し口になる平面を置いて、横に向ける

何でも良いのですが、今回は平面から噴射させます。パーティクルは面の向き(法線)の方向に飛び出すので、横に噴射させたいなら平面を立てます。平面を選んだ状態で、キーボードで R → X → 90 と押してEnter。X軸まわりに90度回転します。
2. パーティクルを追加する

プロパティのパーティクルタブを開き、右上の「+」を押します。種類は「エミッター」のまま。放射の「数 1000・開始フレーム 1・終了 200・寿命 50」は、どれも初期値のままでOKです。
3. 速度を上げる(1m/s → 20m/s)
このまま再生すると、泡は噴き出し口のすぐ近くでポロポロ落ちてしまいます。「速度」パネルのノーマルが初期値の1m/sだからです。これを20m/sにすると、平面の向きに勢いよく飛んでいきます。
4. 泡の形を球にする(ここが落とし穴)

パーティクルの見た目を決める「レンダー」パネルの Render As は、初期値が「Halo(ハロー)」です。ところが公式マニュアルによると、Cyclesで描けるのは Object と Collection だけ。ハローのままCyclesでレンダーすると、上の画像のとおり泡が1つも出てきません。

そこで、UV球を1つ新しく追加しておき、Render As をオブジェクトに変えて、インスタンスオブジェクトにそのUV球を選びます。スケールは初期値の0.05のまま。UV球の半径が1mなので、泡1粒は半径5cmになります。
なお、もとのUV球もそのままだとレンダーに映ります。カメラに映らない場所に動かしておくか、隠しておきましょう。
5. 泡の大きさをばらつかせる
このままだと泡が全部同じ大きさで、ビーズを並べたように見えます。レンダーパネルの Scale Randomness を上げると、大小の泡が混ざります(0〜1。今回は0.9)。比較の画像を見ると、これだけでぐっと泡らしくなるのが分かります。
6. ブラウン運動でふわっと散らす

「物理演算」の力にあるブラウン運動に値を入れると、粒の動きにランダムなゆらぎが加わります(0〜200)。今回は75。まっすぐな列がくずれて、実際の噴射に近い散らばり方になります。
7. ワールドにHDRIを入れる
最後に、ワールドの背景にHDRI(周囲の景色の画像)を入れます。透明な泡に景色が映り込むので、一気にそれっぽくなります。比較画像の背景も、Blenderに最初から入っているHDRIを使っています。
設定した値の一覧

もっと泡らしくするコツ
- 数を増やす:初期値の1000個(200フレームで放出)だと、勢いよく飛ぶほど泡がまばらに見える。もこもこさせたいなら「数」を数千に上げる
- 寿命をばらつかせる:放射パネルの Lifetime Randomness を上げると、泡の消えるタイミングがそろわなくなる
- 飛ぶ速さもばらつかせる:速度パネルの「ランダム化」で、遠くまで飛ぶ泡と手前で落ちる泡が混ざる
- 空気抵抗を足す:力の「ドラッグ」は、速くて大きい粒ほど強くブレーキがかかる。泡が途中で失速する感じが出る
- 重力を弱める:Field Weights(フィールドの重み)の Gravity を下げると、このパーティクルだけ落ちにくくなる。軽い泡らしくふわっと漂う
- 透明にして、シャボン玉のような虹色を足す:泡のマテリアル(Principled BSDF)で Transmission Weight を1、IOR を水と同じ1.33にすると透明な泡になる。Thin Filmの厚みを入れると表面に虹色が乗る(Cyclesのみ対応)。ただし完成形では、映り込む景色が暗めだったので虹色は控えめだった
- 背景を暗くして、景色は映り込みだけに使う:ワールドのノードで Light Path の「Is Camera Ray」を使い、カメラから見た背景だけを暗い色にする。透明な泡がくっきり浮かび上がる

上のコツのうち、「数を6000に増やす」「透明なマテリアル」「背景を暗くする」を足して、1280×720でレンダーした1枚です(Cycles・64サンプル)。速度20m/s・Scale Randomness 0.9・ブラウン運動75は、手順のままです。
2021年の手順から、5.2で変わったこと

- 旧来のパーティクルは今も使える:5.2の公式マニュアルにもエミッターの章が残っている。非推奨と書かれているのは、髪の毛用のパーティクル編集モードだけ
- ジオメトリノードでも作れるようになった:3.6でシミュレーションゾーンが入り、ノードで粒を出して毎フレーム動かせる。「Instance on Points」で粒に球を置けば同じような泡になる。公式は将来、旧来のパーティクルをノードの仕組みで置き換える方針を示している
- Thin Film(薄膜干渉)が追加:4.2で Principled BSDF に入った。シャボン玉の虹色が手軽に出せる(Cyclesのみ)
- EEVEEの透明の設定が変わった:4.2で Blend Mode が Render Method に置き換わった。EEVEEで泡を屈折させたいときは Dithered にして、レンダー設定のレイトレーシングをオンにする
まとめ
- 平面を立てて(R → X → 90)、パーティクルを追加。放射の数値は初期値のままでOK
- 速度のノーマルを20m/sにして横に飛ばす
- Render As はオブジェクトに。初期値のハローのままだとCyclesでは何も映らない
- Scale Randomnessで大小を混ぜ、ブラウン運動で散らすと泡らしくなる
- 2021年の手順は、Blender 5.2 LTSでもそのまま使える
※この記事は、Blender 5.2.2 LTS(2026年9月公開)で動作を確かめ、機能の説明は Blender 公式マニュアルとリリースノートをもとにしています。
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