【Premiere】横の動画を縦(9:16)にしてショート・リール用に書き出す方法|オートリフレームと手動の切り抜き

三脚に縦向きに付けたスマートフォンとノートパソコン Adobe Premiere Pro CC
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横長(16:9)で撮った動画や、横で作った動画を、YouTube ショートや Instagram リール用に縦(9:16)にしたい。でも、縦のシーケンスに入れると小さくなったり、拡大すると人物が切れたりして、どう直せばいいのか分からない——そんなときの手順をまとめました。

なお、Adobe のヘルプでは製品名が「Premiere Pro」から「Adobe Premiere」に変わっています。この記事では「Premiere」と書きます。

結論:いちばん楽なのは「オートリフレームシーケンス」

1920×1080の横動画を1080×1920の縦の枠に入れる計算。枠いっぱいに広げるとスケール177.8%で中央の約608×1080pxだけが使われ、全体を入れるとスケール56.25%で上下に黒帯が出る
  • 横の動画で縦の枠を埋めると、使えるのは真ん中の細い部分だけ。拡大するのでぼやけやすい
  • いちばん楽なのは「シーケンス」→「オートリフレームシーケンス」。被写体を追いかけて、縦 9:16 の複製を自動で作ってくれる。元のシーケンスは残る
  • 映す場所を細かく決めたいなら、縦のシーケンス(1080×1920)を作って、エフェクトコントロールの「スケール」「位置」で合わせる
  • 書き出しは Ctrl+M。形式「H.264」、プリセット「Match Source – Adaptive High Bitrate」にすれば、シーケンスの大きさのまま書き出せる
  • YouTube ショートは3分以内、Instagram リールは3分を超えるとおすすめされにくい

逆に、スマホで撮った縦の映像を横の動画に入れたいときは「【Premiere】 スマホで撮影した縦映像を横へ」を見てください。

先に知っておくこと:横を縦にすると、画面の7割近くは捨てる

横 1920×1080 の動画を、縦 1080×1920 の枠に入れる場合で考えます。やり方は大きく2つです。

  • 枠いっぱいに広げる:縦の 1920 に高さを合わせるので、スケールは 177.8%(1920÷1080)。使われるのは元の動画の中央 約608×1080px だけで、左右は切れます。小さい範囲を引き伸ばすので、ぼやけやすくなります
  • 全体を入れる:横の 1080 に幅を合わせるので、スケールは 56.25%(1080÷1920)。画面は全部見えますが、上下に大きな黒帯が出て、映像は小さくなります

ショートやリールでは、枠いっぱいに広げるやり方がふつうです。そのため「どこを残すか」が大事になります。人物が左右に動く動画では、真ん中に固定したままだと、人がフレームの外に出てしまいます。これを自動で追いかけてくれるのが、あとで説明するオートリフレームです。

なお、横の素材を縦のシーケンスに入れると、素材は中央に置かれます。何もしないと、上下に黒帯がある状態や、真ん中だけが映った状態になります。

方法1:縦のシーケンスを作る

シーケンスは、タイムラインで編集する「動画の入れ物」です。この入れ物の大きさを縦にすれば、書き出す動画も縦になります。

新しく作る場合

新規シーケンスの設定タブ。編集モードをカスタムにし、フレームサイズを横1080・縦1920、ピクセル縦横比を正方形ピクセルにする
  1. メニューの「ファイル」→「新規」→「シーケンス」を開く
  2. ダイアログの「設定」タブを開く
  3. 「編集モード」を「カスタム」にする
  4. 「ビデオ」の「フレームサイズ」に横 1080・縦 1920 を入れる
  5. 「ピクセル縦横比」を「正方形ピクセル」にして、シーケンス名を付けて OK

タブの名前(「シーケンスプリセット」「設定」「トラック」など)は、ヘルプのページやバージョンによって書き方が違うことがあります。フレームサイズを入れる欄があるタブを探してください。また、Adobe はソーシャルメディア向けのプロジェクトテンプレートも用意していると案内しています。

縦のシーケンスに横の素材を入れると、「クリップの不一致」の警告が出ることがあります。これは「素材とシーケンスの設定が違うけど、シーケンスを素材に合わせますか」という確認です。ここでシーケンスの設定を変えない方を選ぶと、縦のまま残ります。素材に合わせる方を選ぶと、シーケンスが横に戻ってしまうので注意してください。この警告は、環境設定の「タイムライン」にある「クリップの不一致警告ダイアログを表示」で出す・出さないを切り替えられます。

今あるシーケンスを縦にする場合

すでに横で編集したシーケンスを縦にしたいなら、メニューの「シーケンス」→「シーケンス設定」を開き、フレームサイズを 1080×1920 に書き換えます。プロジェクトパネルでシーケンスを右クリックしても開けます。

ただし、横の版も残したいなら、先にシーケンスを複製してから変えるのが安全です。また、この方法では各クリップの大きさや位置は自動では直らないので、あとで方法3の手動の調整が必要です。手間を減らしたいなら、次の方法2を先に試してください。

方法2:オートリフレームシーケンス(いちばん楽)

オートリフレームは、映像の中の被写体を Premiere が見つけて、縦などの枠の中に収まるように自動で位置を動かしてくれる機能です。シーケンスまるごとに使うのが「オートリフレームシーケンス」です。

オートリフレームシーケンスのダイアログ。ターゲット縦横比を9:16、モーショントラッキングはスローモーション・デフォルト・高速モーションから選び、クリップをネストはふだんオフ。実行後は元のシーケンスが残り、オートリフレームシーケンスのフォルダーに複製ができる
  1. プロジェクトパネルで、縦にしたい横のシーケンスを選ぶ
  2. メニューの「シーケンス」→「オートリフレームシーケンス」を選ぶ
  3. 「ターゲット縦横比」を9:16 にする(必要なら解像度も入れる)
  4. 「モーショントラッキング」を選ぶ(下で説明)
  5. 「クリップをネスト」は、ふだんはオフのままで実行する

実行しても、元の横のシーケンスはそのまま残ります。縦の複製は、プロジェクトパネルに新しくできる「オートリフレームシーケンス」フォルダーの中に作られます。複製の中のクリップには、すべてオートリフレームのエフェクトが付いています。横の版と縦の版を両方持てるので、失敗しても作り直せます。詳しくは Adobe のヘルプ「シーケンスにオートリフレームを適用」にもあります。

モーショントラッキングの選び方

モーショントラッキングは、被写体をどのくらい機敏に追いかけるかの設定です。選べるのは次の3つです。

  • スローモーション:名前のとおり、動きの少ない映像向け。話している人を正面から撮った動画など
  • デフォルト:ふつうの映像向け。迷ったらこれ
  • 高速モーション:スポーツやペットなど、被写体がよく動く映像向け

日本語の表示はバージョンによって違うことがあり、「低速モーション」と訳されている場合もあります。

「クリップをネスト」の意味と注意

ネストは、複数のクリップを1つのかたまりにまとめることです。「クリップをネスト」をオンにすると、各クリップをまとめた状態でオートリフレームがかかります。ただ、Adobe のヘルプには、ネストするとトランジション(場面切り替えの効果)がうまくいかないと書かれています。トランジションを使っている動画では、オフのままにしておきましょう。

また、画面に人が何人もいる場合や、動きがとても速い場合は、自動の結果がずれることがあります。そのときは、次のクリップ単位の調整で直します。

クリップごとにオートリフレームをかける・微調整する

シーケンス全体ではなく、特定のクリップだけに使うこともできます。縦のシーケンスに置いたクリップに、エフェクトを付けます。

  1. エフェクトパネルで「ビデオエフェクト」→「変形」→「オートリフレーム」を探す
  2. タイムラインのクリップにドラッグする
  3. エフェクトコントロールパネルで、「モーショントラッキング」を選ぶ

オートリフレームシーケンスで作ったクリップも、同じエフェクトが付いているので、エフェクトコントロールで直せます。被写体が枠から外れる場面があれば、「位置の調整」「オフセットをリフレームする」「スケールをリフレームする」「回転をリフレームする」といった項目で、位置や大きさを手で足し引きします。詳しくは Adobe のヘルプ「クリップにオートリフレームを適用」を見てください。項目の名前は、バージョンによって少し違うことがあります。

方法3:手動でスケールと位置を合わせる

オートリフレームの結果が思いどおりにならないときや、映す場所を細かく決めたいときは、手動で合わせます。方法1で作った縦のシーケンスに、横のクリップを置いてから行います。

エフェクトコントロールのモーションで、スケールを177.8、位置を調整し、キーフレームで位置を時間とともに動かす。右クリックのフレームサイズに設定(Set to Frame Size)と、フレームサイズに合わせてスケール(Scale to Frame Size)の違い
  1. タイムラインでクリップを選び、エフェクトコントロールパネルの「モーション」を開く
  2. 「スケール」を上げて、縦の枠を埋める。1920×1080 の素材なら 177.8 でぴったり埋まる
  3. 「位置」の横の数字(左の値)を変えて、映したい部分を左右に動かす
  4. 人物が動くなら、「位置」の左にあるストップウォッチを押してキーフレームを打ち、時間ごとに位置を変える

キーフレームは「この時間には、この値」という目印です。2つ以上打つと、その間は値が少しずつ変わっていきます。人物が右へ歩いていくなら、始めと終わりにキーフレームを打ち、終わりの位置を右寄りにすれば、画面が人物を追いかけるように動きます。

「フレームサイズに設定」と「フレームサイズに合わせてスケール」の違い

クリップの右クリックメニューには、似た名前のコマンドが2つあります。日本語の表示は公式ヘルプでもはっきりせず、誤訳もあるため、英語名と一緒に書きます。

コマンド何をするか
フレームサイズに設定
(Set to Frame Size)
スケールの数字を変えて、シーケンスの枠に合わせる。素材の解像度は保たれる
フレームサイズに合わせてスケール
(Scale to Frame Size)
枠の大きさで素材を作り直す(ラスタライズ)。スケールは100%の表示になる

どちらも「枠に収める」ためのコマンドなので、横の素材を縦の枠に使うと、上下に黒帯がある状態(スケール 56.25% 相当)になります。そこから拡大して枠を埋めたいなら、解像度が保たれる「フレームサイズに設定」(Set to Frame Size)の方が向いています。「フレームサイズに合わせてスケール」のあとで拡大すると、小さく作り直したものを引き伸ばすことになり、画質が落ちやすくなります。

セーフマージンを出して、文字は中央寄りに置く

ショートやリールは、再生中の画面の上や下、右側に、ボタンや説明文が重なります。字幕やテロップを端に置くと、隠れてしまうことがあります。

目安にするなら、プログラムモニターのセーフマージンを表示します。モニターの下にある「設定」(スパナのアイコン)→「セーフマージン」で、枠の線が出ます。外側の線がアクションセーフ(10%)、内側の線がタイトルセーフ(20%)で、この線は書き出した動画には入りません(Adobe のヘルプ)。

ただし、ショートやリールのボタンがどこに重なるかについて、Premiere 側の公式の目安はありません。字幕や大事なものは、タイトルセーフの内側の、さらに中央寄りに置いておくと安心です。

書き出し:Ctrl+M で H.264 にする

書き出しの画面のイメージ。形式はH.264、プリセットはMatch Source – Adaptive High Bitrate、公開でYouTubeやTikTokなどに直接投稿できる。下にYouTubeショートとInstagramリールの条件の表
  1. 書き出したい縦のシーケンスを選び、「ファイル」→「エクスポート」→「メディア」(Ctrl+M)を開く
  2. 形式を「H.264」にする
  3. プリセットを「Match Source – Adaptive High Bitrate」にする。シーケンスの大きさ(1080×1920)とフレームレートに合わせて書き出される
  4. ファイル名と保存先を決めて、書き出す

Premiere から直接書き出すほかに、「Media Encoder に送信」で書き出す方法もあります(Adobe のヘルプ)。

書き出しの画面には「公開」のセクションがあり、YouTube・TikTok・Facebook などへ、書き出しと同時に直接投稿することもできます。プリセットの一覧の「その他のプリセット…」からは、各 SNS 向けのプリセットも選べます(Adobe のヘルプ)。

書き出したら、ファイルを再生して音も入っているか確かめておきましょう。編集の段階で音声がタイムラインに入っていなかった場合は「【Premiere Pro】音声がタイムラインに入らない・映像だけ入るときの原因と直し方5つ」を見てください。

YouTube ショート・Instagram リールの条件

投稿先ごとの条件は、2026年10月時点の公式ヘルプで次のようになっています。変わることがあるので、投稿前に公式ヘルプも確かめてください。

投稿先公式ヘルプに書かれている条件
YouTube ショート正方形か縦長で、長さが3分以内の動画はショートに分類される
Instagram リール縦横比は 1.91:1〜9:16。フレームレートは30fps 以上、解像度は 720px 以上。最長20分だが、3分を超えるリールは新しい視聴者におすすめされない

出典:YouTube ヘルプ、Instagram ヘルプ(リールの仕様)、Instagram ヘルプ(リールの長さ)

大きさを 1080×1920 にするのは、縦動画でよく使われる目安です。公式で決まっている値ではありませんが、9:16 で十分な解像度があるので、どちらのサービスにも使いやすい大きさです。Instagram リール用なら、素材が 24fps などで撮られていないかも確かめておくと安心です。

確かめた範囲について

当ブログでは2024年に Premiere Pro の契約をやめたため(「Premiere Proをやめた」)、2026年の最新版では操作していません。この記事の手順は、Adobe・YouTube・Instagram の公式ヘルプで確かめた内容です。図は画面を分かりやすく描き直したもので、実際の画面とは見た目が違います。Adobe の日本語ヘルプは機械翻訳のような表現があり、実際のメニューの名前とずれることがあります。メニューや項目の名前は、バージョンによって違うことがあります。

まとめ

  • 横 1920×1080 で縦の枠を埋めると、スケール 177.8%。使えるのは中央 約608×1080px だけで、ぼやけやすい。全体を入れると 56.25% で上下に黒帯
  • 縦のシーケンスは「ファイル」→「新規」→「シーケンス」の「設定」タブで、フレームサイズを 1080×1920 にする
  • いちばん楽なのは「シーケンス」→「オートリフレームシーケンス」。ターゲット縦横比 9:16、迷ったらモーショントラッキングは「デフォルト」、「クリップをネスト」はオフ。元のシーケンスは残る
  • ずれた場面は、オートリフレームのエフェクトか、「モーション」の「スケール」「位置」とキーフレームで直す
  • 拡大する前提なら「フレームサイズに設定」(Set to Frame Size)を使う
  • 字幕はセーフマージンの内側の、さらに中央寄りに
  • 書き出しは Ctrl+M、H.264、Match Source – Adaptive High Bitrate。YouTube ショートは3分以内、Instagram リールは3分以内がおすすめされやすい

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