スマホの写真を整理していたら、この1枚が出てきました。

赤い積載車の上に、テスラ モデルS。よく見ると、フロントのボンネット(テスラでは「フランク」と呼ぶ荷室)が開いたままです。2021年3月、走行用バッテリーが壊れて動かなくなったときの写真です。
この1枚に載るまでに、2日かかりました。しかも舞台は、真夜中のマンションの機械式駐車場。今思い出しても、恥ずかしいやら、おかしいやらです。
そもそも、なぜ動かなくなったのか
始まりは、乗り込むたびに出るエラーメッセージでした。1度目は羽田空港の駐車場で動かなくなり、自動車保険のロードサービスでレッカーを呼んでいます(その顛末はこちら)。このときは「よくあるソフトウェアのバグ」と判断されて、更新待ちになりました。
ところが、やっぱりおかしい。何度も電話してリモート診断をしてもらううちに、ついに12Vへの給電機能まで失われていることが分かりました。ここでようやく、サービスセンターも「ただごとではない」と判断。今度はテスラがレッカーを手配してくれることになりました。
問題は、車が置いてある場所です。エレベーター式の機械式駐車場。ここから動かない2トン超えの車を引き出さなければなりません。ほかの住民の迷惑にならないよう、来てもらうのは真夜中にしました。
深夜の駐車場、2日間の攻防

1日目:起動はした。でも動かない
レッカー業者さんが1人でやってきました。12Vバッテリーの電圧は11.7Vまで下がっていました。外部電源をつないで12V以上まで上げると、システムは起動してくれました。
ところが、シフトがDレンジに入らない。自走は無理です。救いは、牽引モードには入れられたこと。これで車輪が転がるようにはなりました。
とはいえ、1人で2トン超えの車を押し出すのは無理な話。業者さんはこの日は撤退しました。ちなみにこれは、事前に電話で「その可能性がある」と言われていたので、想定内です。
2日目:3人がかりでも、1cmの段差に負ける

2日目は、業者さんが2人に増えて再挑戦。牽引モードの車を、2人がかりで駐車場のパレットから押し出します。
……止まりました。原因は、1cmくらいの段差。
マンションの警備員さんにも手伝ってもらい、3人で押します。それでも無理。2トンを超えると、もう人間の手ではどうにもならないのです。たった1cmなのに。
そこで登場したのが、業者さんが念のため持ってきてくれていたウインチ付きの車。3人がかりで動かなかった車が、ウインチであっさり駐車場から引き出されました。重機の力、恐るべし。
そして、ジロジロ見られる
真夜中とはいえ、マンションの駐車場にはちょくちょく人が通ります。ボンネットを開けたまま積載車に載っていくテスラと、それを見守る持ち主。通りかかる住民の方に、ジロジロ見られました。恥ずかしかった……。昼間だったらと思うと、真夜中にして本当に良かったです。
結末:まさかの「当たり」
積載車で横浜のサービスセンターに運ばれ、今度は走行用バッテリーを取り外しての本格的な診断。1週間ほどで結果が出ました。
「走行用のメインバッテリーが故障しました。交換が必要です」
普通なら青ざめる言葉ですが、このときは逆に喜んでしまいました。乗り始めて5年5か月、走行距離は5万kmほどで、まだ保証期間内だったのです。つまり、走行用バッテリーが無料で新品になる。2日間の苦労と、住民の方の視線に耐えたかいがありました。
ただし、オチがもう1つ。走行用バッテリーの在庫は日本になく、電話口で告げられたのは「3か月、もしかしたら4か月待ち」。そう簡単には返ってこないのでした。詳しくは当時の記事に書いています。
機械式駐車場で車が動かなくなったら

笑い話で終わらせるのももったいないので、この2日間で分かったことを残しておきます。
- 駐車場の形を最初に伝える:「エレベーター式の機械式駐車場」「自走できない」と伝えれば、それに合った人数と道具で来てもらえる
- 人力に期待しない:2トン級の車は、3人で押しても1cmの段差で止まる。ウインチ付きの車を頼めるか聞いておく
- 時間帯と管理人さん:出し入れの間は駐車場がふさがる。迷惑が少ない時間を選び、管理人さんや警備員さんにも伝えておく
- 保険のロードサービスを確かめる:自動車保険には、レッカーの特約が付いていることが多い。1度目に動かなくなったときも、保険のロードサービスに助けられた
写真の整理をしていると、こういう1枚が出てくるから面白いものです。
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