Blenderで作ったアニメーションを、スマホやSNSでそのまま見られるMP4の動画にしたい。ところが「アニメーションレンダリング」を押しても、できるのは画像がずらっと並んだフォルダーだったり、見慣れない .mkv のファイルだったりします。しかも、どこに保存されたのか分からない。
当ブログで Blender 5.2.2 LTS(2026年10月時点の最新版)を使い、初期設定のまま書き出すと何ができるのか、どこを変えればMP4になるのかを実際に試しました。画質の設定ごとのファイルサイズも測っています。
結論:変えるのは「メディアタイプ」「コンテナ」「出力パス」の3つ

この記事で書き出したテスト用のアニメーションです(640×360・48フレーム。ブログに載せるためにGIFにしています)。これをMP4にする手順は、次の4つだけです。
- 「出力プロパティ」のメディアタイプを「画像」から「動画」にする
- 「エンコーディング」のコンテナを Matroska から「MPEG-4」にする
- 出力パスに、保存したいフォルダーとファイル名を入れる
- メニューの「レンダー」→「アニメーションレンダリング」(Ctrl+F12)で書き出す

- 何もしないと、動画ではなく1コマずつのPNG画像ができる
- 「動画」にしただけだと、拡張子は .mkv(MP4ではない)
- 出力パスの初期値は「/tmp\」。Windowsでは C:\tmp に保存される
- 動画コーデックは初期値の H.264 のままでよい
- 音を入れたいときは、音声コーデックも「なし」から変える
何もしないで書き出すと、こうなる
まずは、設定を何も変えずに「アニメーションレンダリング」を押したときに起きることです。MP4にならない原因は、ほとんどがこの3つのどれかです。

1. 動画ではなく、連番のPNG画像ができる
Blender 5.2 の「出力プロパティ」→「出力」にはメディアタイプという項目があり、「画像」「Multi-Layer EXR」「動画」の3つから選びます。初期値は「画像」(ファイルフォーマットは PNG)です。
そのため、何もしないで書き出すと、0001.png、0002.png……と1コマ1枚の画像がフレームの数だけできます。これを「連番PNG」と呼びます。動画プレーヤーでは再生できません。
2. 「動画」にしても、.mkv になる
メディアタイプを「動画」に切り替えると、ファイルフォーマットが FFmpeg Video になり、その下に「エンコーディング」の設定が出てきます。ここのコンテナの初期値は Matroskaです。
コンテナとは、映像と音声をまとめて入れる「箱」の種類のことで、拡張子はこれで決まります。Matroska の拡張子は .mkv。つまり、メディアタイプを「動画」にしただけでは、MP4ではなく .mkv の動画ができます。当ブログで試したときも、できたのは「v_default_0001-0048.mkv」というファイルでした。
.mkv も動画としては正しいファイルです。ただ、スマホや動画サイト、編集ソフトに渡すことを考えると、MP4 のほうが扱いやすい場面が多いです。
3. 保存先が C:\tmp になる
出力パスの初期値は「/tmp\」です。Windows でこのまま書き出すと、Cドライブの直下に tmp というフォルダーが作られ、そこに保存されました(当ブログで確認。フォルダーがなくても自動で作られます)。
「書き出したはずの動画が見つからない」というときは、まず C:\tmp を開いてみてください。エクスプローラーのアドレス欄に C:\tmp と入れれば開けます。
MP4で書き出す手順
ここからは、MP4で書き出すまでの手順を順番に説明します。設定はすべて、プロパティエディターの「出力プロパティ」(プリンターの形のアイコンのタブ)にあります。
1. 出力パスを指定する
「出力」パネルの一番上にある出力パスに、保存したいフォルダーとファイル名の頭を入れます。右のフォルダーのボタンを押せば、ファイルブラウザーで場所を選べます。
できるファイルの名前は、出力パスの後ろにフレーム範囲が付いたものになります。たとえば出力パスを「D:\video\turn_」にして1〜48フレームを書き出すと、「turn_0001-0048.mp4」というファイルができます。
2. メディアタイプを「動画」にする
同じ「出力」パネルのメディアタイプで「動画」を選びます。ファイルフォーマットが FFmpeg Video に変わり、「エンコーディング」の項目が出てきます。
3. コンテナを「MPEG-4」にする
「エンコーディング」のコンテナを、Matroska から「MPEG-4」に変えます。ここが一番忘れやすいところです。これで拡張子が .mp4 になります。
4. 動画コーデックと出力の品質を確かめる
動画コーデック(映像を圧縮する方式)は、初期値のH.264のままで問題ありません。H.264 は、多くのパソコン・スマホで再生できる方式です。
画質は出力の品質で決めます。初期値は「中品質」。もう1つの「エンコード速度」は初期値が Good で、ふつうはそのままで構いません。品質とファイルサイズの関係は、このあと実測の結果を載せます。
5. フレーム範囲とフレームレートを確かめる
同じ出力プロパティのフレーム範囲で、「開始フレーム」と「終了」を確かめます。初期値は1〜250です。アニメーションが48フレームで終わっているのに250のままだと、後ろに動かない時間が200フレーム以上続く動画になります。
フレームレート(1秒あたりのコマ数)の初期値は24fpsです。24fpsなら、48フレームでちょうど2秒の動画になります。
6. アニメーションレンダリングで書き出す
メニューの「レンダー」→「アニメーションレンダリング」を選びます。キーボードなら Ctrl+F12 です。レンダーのウィンドウが開いて1コマずつ描かれ、最後のフレームまで終わると、出力パスに .mp4 のファイルができます。
「画像をレンダリング」(F12)は今のフレームの1枚だけを描く機能なので、動画にはなりません。動画は必ず「アニメーションレンダリング」です。
なお、書き出しのときの動画の圧縮(エンコード)にグラフィックボードの機能が使われているかどうかは、【Blender 】ハードウェアエンコード出来ているの?で取り上げています。
出力の品質とファイルサイズ
「出力の品質」を変えると、ファイルサイズはどのくらい変わるのか。同じ動画(2秒・640×360・48フレーム)を、品質だけ変えて書き出して比べました。

| 出力の品質 | ファイルサイズ | 中品質と比べて |
|---|---|---|
| 知覚的にロスレス | 201KB | 約2倍 |
| 高品質 | 138KB | 約1.4倍 |
| 中品質(初期値) | 102KB | ― |
| 低品質 | 78KB | 約0.8倍 |
| 最低品質 | 47KB | 約0.5倍 |
一番上の「知覚的にロスレス」は、「人の目では劣化が分からないくらい」という意味の設定です。最低品質と比べると、サイズは4倍ほどになりました。
今回のテストは単色の背景でサルが回るだけの、とても軽い動画です。細かい模様や激しい動きのある動画では、サイズそのものは大きく変わります。数字は「品質を1段上げ下げすると、だいたいこのくらいの割合で変わる」という目安として見てください。
- SNSや人に見せる用:中品質か高品質
- あとで動画編集ソフトに読み込んで編集する:知覚的にロスレス(編集で書き出し直すたびに画質が落ちるのを抑えるため)
- 動きの確認だけ:低品質で十分
書き出した動画に音が入らないとき
エンコーディングの音声コーデックの初期値は「なし」です。そのため、ビデオシーケンサーで音のファイルを並べていても、そのまま書き出すと音のない動画になります。
音を入れたいときは、音声コーデックでAACなどを選んでから書き出します。AAC は MP4 でよく使われる音声の形式で、多くのプレーヤーで再生できます。
動画コーデックは初期値のままで問題ないのに、音声コーデックは初期値のままだと困る。ここは見落としやすいので、音を入れた作品を書き出す前に一度確かめておきましょう。
確実なのは「連番PNG → ビデオシーケンサー → MP4」
ここまでの方法は、レンダーと動画への変換を一度に行うやり方です。短いアニメなら十分ですが、1コマに何分もかかる重いシーンでは、別のやり方のほうが安心です。いったん連番PNGで書き出して、あとからBlenderのビデオシーケンサー(動画編集の機能)でMP4にまとめる方法です。

- メディアタイプは「画像」(PNG)のまま、出力パスだけ指定して「アニメーションレンダリング」。1コマ1枚のPNGができる
- 新しいファイル(または新しいシーン)で、エディターをビデオシーケンサーに切り替える
- 「追加」メニューから画像を選び、書き出したPNGを全部まとめて選んで読み込む。1本の画像ストリップとして並ぶ
- フレーム範囲の「終了」を、PNGの枚数(今回は48)に合わせる。解像度も元の動画と同じにしておく
- 出力プロパティで、メディアタイプ「動画」・コンテナ「MPEG-4」にして、出力パスを指定
- もう一度「アニメーションレンダリング」(Ctrl+F12)
当ブログで48枚のPNG(640×360)を読み込んで試したところ、MP4ができるまで2.8秒でした(ファイルサイズは120KB)。シーンを描き直すわけではなく、できあがった画像を並べて圧縮するだけなので、とても速く終わります。
この方法の利点は2つあります。
- 途中で止まっても、続きから書き出せる:動画に直接書き出していると、途中でBlenderが落ちたときにそれまでの分がむだになりやすい。PNGなら、できたコマはそのまま残るので、「開始フレーム」を続きの番号にしてレンダーし直せばよい
- 品質を変えて何度でも作り直せる:「中品質だと粗かった」「やっぱり .mkv も欲しい」というときも、重いレンダーをやり直さずに、数秒の変換だけで作り直せる
なお、手順2〜3のメニューの名前は、バージョンによって表示が違うことがあります。
ちなみに、当ブログのPCは Intel Celeron J4125(4コア)・メモリ8GBの、かなり非力なパソコンです。それでも変換は数秒で終わったので、この方法のために高性能なPCが必要になることはありません。
GIFアニメにしたいとき
Blender 5.2 のファイルフォーマットの一覧には、GIFはありません。Blenderだけで直接GIFアニメを書き出すことはできないので、いったんMP4や連番PNGで書き出してから、別のソフトでGIFに変換します。
この記事の最初に載せたアニメーションも、Blenderで書き出した画像を、Blenderの外でGIFにまとめたものです(480×270に縮小して約1MB)。2秒の動画でも、GIFにするとMP4よりかなり大きなファイルになります。ブログに載せるなど、どうしてもGIFが必要なとき以外はMP4のほうが軽く済みます。
まとめ
- Blender 5.2 は、何もしないと連番PNGを C:\tmp に書き出す
- メディアタイプを「動画」にしても、コンテナの初期値は Matroska なので .mkv になる
- MP4にするには、コンテナを「MPEG-4」に。動画コーデックは H.264 のままでよい
- 出力パスは必ず指定する。ファイル名の後ろにはフレーム範囲(0001-0048など)が付く
- 書き出しは「レンダー」→「アニメーションレンダリング」(Ctrl+F12)。フレーム範囲の初期値1〜250に注意
- 出力の品質は中品質が初期値。知覚的にロスレスで約2倍、最低品質で約半分のサイズになった
- 音を入れるなら、音声コーデックを「なし」からAACなどに変える
- 重いシーンは連番PNG → ビデオシーケンサー → MP4が安心。変換は数秒で終わる
- GIFは一覧にないので、別のソフトで変換する
※この記事は、Blender 5.2.2 LTS(Windows版)を当ブログのPCで実際に動かして確かめた内容です。ファイルサイズや時間は、シーンやPCによって変わります。
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