【Photoshop】背景を削除したけど微調整したい|消えた部分を「選択とマスク」で戻す・髪の毛の調整

背景を削除したけど微調整したい。Photoshopの選択とマスクで、消えた透明なカバーを+のブラシで戻すイメージ Photoshop
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※この記事は、当ブログが2022年に書いた「【Photoshop】背景を削除したけど、微調整したい」を、2026年11月の画面・バージョンに合わせて新しく書き直したものです。元の記事も、そのまま残しています。

Photoshop の「背景を削除」は、ボタン1つで被写体だけを残してくれる便利な機能です。ただ、いつも完璧とは限りません。残したい物まで一緒に消えたり、髪の毛の縁がギザギザになったりして、「あと少しだけ直したい」という場面がよくあります。

この記事では、背景を削除したあとに消えた部分を戻す・余計な部分を消す・細かい縁を整えるやり方をまとめます。メニュー名は2026年11月時点の Adobe 公式ヘルプに合わせていますが、Photoshop のバージョンによって表示が少し違うことがあります。

結論:背景は「隠れている」だけ。マスクを直せば戻せる

  • 「背景を削除」は、背景の画素を消しているのではなく、レイヤーマスクで隠している。だから後から直せる
  • 微調整は、マスクのサムネイルを選んで「選択範囲」→「選択とマスク」(Windows は Alt+Ctrl+R)
  • 表示モードを「オーバーレイ」にすると、隠れる所が赤く見えて分かりやすい
  • オプションバーの+で「残したい所」、-で「消したい所」をなぞる。ブラシのサイズは場所に合わせて変える
  • 髪の毛のような細かい所は、サイズを1くらいにして少しずつなぞるか、境界線調整ブラシや「髪の毛を調整」を使う
  • 仕上げは出力先を「新規レイヤー(レイヤーマスクあり)」にすると、元の写真が残って安心

背景を削除する操作そのものは、別の記事【Photoshop】背景を削除するで紹介しています。この記事はその続き、「削除したあと」の話です。

何が起きたか:透明なカバーだけが消えた

白い台の上に、赤いロッカースイッチを2つと、スイッチ用の透明な防水カバーを並べて撮った写真で「背景を削除」を使いました。スイッチ2つはきれいに切り抜けたのですが、透明なカバーは背景と一緒に消えてしまいました。

透明な物や、背景と色が近い物は、自動の切り抜きが「背景の一部」と判断しやすい被写体です。ワンクリックで終わる便利さの代わりに、こうした取りこぼしは起こります。そこで、消えた物を手で戻すことにしました。

しくみ:「背景を削除」はレイヤーマスクで隠している

元の画像にレイヤーマスクを組み合わせた結果の図。マスクの白い所は表示され、黒い所は隠れる。透明なカバーが黒の側に入って消えている。レイヤーパネルでは画像の右に白黒のマスクのサムネイルが付いている

直し方の前に、しくみを押さえておくと迷いません。「背景を削除」を実行すると、画像のレイヤーにレイヤーマスクが付きます。レイヤーパネルで、画像のサムネイルの右に白黒のサムネイルが増えていれば、それがマスクです。

  • マスクの白い所:画像が見える
  • マスクの黒い所:画像が隠れる(透明に見える)
  • グレーの所:半透明になる

つまり、背景の画素は消えておらず、マスクの黒で隠れているだけです。消えたカバーも、マスクのその部分を白にすれば戻ってきます。Adobe の公式ヘルプでも、背景を削除した結果が足りないときは、レイヤーマスクをブラシで手直しする方法が案内されています。

手順1:マスクを選んで「選択とマスク」を開く

レイヤーパネルで白黒のマスクのサムネイルをクリックして枠を付け、メニューの選択範囲から選択とマスク(Alt+Ctrl+R)を選ぶ2つの手順の図
  1. レイヤーパネルで、白黒のマスクのサムネイルをクリックする(枠が付けば選択中。文書のタブの名前の後ろも「レイヤーマスク」になる)
  2. メニューの「選択範囲」→「選択とマスク…」を選ぶ。ショートカットは Windows が Alt+Ctrl+R、Mac が option+command+R

マスクを選んだ状態で開くと、今のマスクの形を読み込んだ状態で「選択とマスク」の画面になります。画像のサムネイルのほうを選んでいると、マスクではなく新しい選択範囲を作る画面になってしまうので注意してください。バージョンによっては、マスクを選んだときのプロパティパネルにも「選択とマスク」のボタンがあります。

手順2:表示を「オーバーレイ」にして、+と-でなぞる

選択とマスクの画面の模式図。右の属性パネルで表示モードをオーバーレイにすると、隠れる所が赤く表示される。左のツールからブラシを選び、オプションバーの+で消えた透明なカバーの上をなぞると、なぞった所だけ赤が消える

表示モードを「オーバーレイ」にする

画面右の「属性」パネルにある表示モードを開き、「オーバーレイ」を選びます。隠れる所(背景扱いの所)が赤く半透明で覆われ、残る所はそのまま見えます。消えたカバーの上にも赤がかかっているので、どこを直せばよいかが一目で分かります。

表示モードはほかに、オニオンスキン・点線・黒地・白地・白黒・レイヤー上があり、F キーで順に切り替えられます。背景が赤っぽい写真なら、黒地や白地のほうが見やすいこともあります。

+で残したい所、-で消したい所をなぞる

左のツールからブラシを選ぶと、画面上部のオプションバーに+(範囲に追加)と-(範囲から削除)、サイズが出ます。

  • +:保持したい領域をなぞる。今回は、消えた透明なカバーの上をなぞって戻した
  • -:削除したい領域をなぞる。被写体のすき間に残った背景などを消すときに使う
  • サイズ:なぞる範囲の大きさに合わせて変える。広い所は大きく、縁の近くは小さく

カバーのように形がはっきりした物なら、大きめのブラシで中を塗り、縁の近くだけサイズを下げて仕上げると早く終わります。作業中にキーボードの [ と ] を押すと、ブラシのサイズを小さく・大きくできます。左のツールには、なぞった所の色の境目を自動で拾うクイック選択や、囲んだ物を選ぶオブジェクト選択もあるので、形がはっきりした物ならそちらのほうが早い場合もあります。

手順3:髪の毛など細かい所を整える

髪の毛のような細かい縁を整える3つの道具。ブラシのサイズを1にして少しずつなぞる、境界線調整ブラシで毛先をなぞる、オプションバーの髪の毛を調整ボタン。仕上がりは表示モードの白黒で確かめる

人物の髪の毛や動物の毛、植物の葉先など、細かい縁はいちばん手間がかかる所です。やり方は大きく3つあります。

1. ブラシのサイズを1にして、少しずつなぞる

髪の毛のように超細かい所は、ブラシのサイズを1などの小さな値にして、画面を拡大しながらチマチマなぞるのが確実です。時間はかかりますが、思った通りの形に直せます。当ブログでも、細かい所はこのやり方で直しています。

2. 境界線調整ブラシでなぞる

左のツールにある境界線調整ブラシで毛先の上をなぞると、なぞった範囲の中で、背景と毛の境目を Photoshop が見分けて拾い直します。Adobe の公式ヘルプ(髪の毛を切り抜く方法)でも、髪の毛の選択範囲はこのブラシで調整する手順が紹介されています。オプションバーの+で調整する範囲を広げ、-で元のエッジに戻します。

3. 「髪の毛を調整」ボタンを押す

新しめのバージョンでは、オプションバーに「髪の毛を調整」のボタンがあり、人物の髪の縁をまとめて整えてくれます。まずこれを押して、足りない所だけ境界線調整ブラシや小さいブラシで直す、という順番にすると手間が減ります。

仕上がりを確かめるときは、表示モードを「白黒」にすると分かりやすくなります。白が残る所、黒が消える所、グレーが半透明の所です。毛先が黒く欠けていないか、背景の色が白く残っていないかを見ます。縁に背景の色がにじむ場合は、属性パネルの「不要なカラーの除去」を試すと目立たなくなることがあります。

手順4:出力先を選んで OK

直し終わったら、属性パネルの下にある「出力設定」→「出力先」を選んで、OK を押せば完了です。出力先の選択肢は次のとおりです。

出力先どうなるか
選択範囲選択範囲(点線)として返す
レイヤーマスク今のレイヤーのマスクを置き換える
新規レイヤー切り抜いた部分だけの新しいレイヤーを作る
新規レイヤー(レイヤーマスクあり)マスク付きの新しいレイヤーを作る。元のレイヤーは残る
新規ドキュメント/新規ドキュメント(レイヤーマスクあり)別のファイルとして作る

迷ったら「新規レイヤー(レイヤーマスクあり)」がおすすめです。元のレイヤーが残るので、うまくいかなくても最初からやり直せます。今のレイヤーのマスクを直接直したいなら「レイヤーマスク」を選びます。

今回は OK を押すと、消えていた透明なカバーが戻り、スイッチ2つとカバーの3つがきれいに切り抜けました。ワンクリックで大部分を終わらせ、残りを手で直す。この組み合わせは本当に便利で、やはり Photoshop はすごいと感じました。

「選択とマスク」を使わずに、マスクを直接塗る方法

選択とマスクの出力設定で出力先を新規レイヤー(レイヤーマスクあり)にする図と、マスクに直接ブラシで塗るときの早見表。白で塗ると戻る、黒で塗ると隠れる、Xキーで白黒を入れ替え、Shift+クリックでマスクを一時的にオフ、Alt+クリックでマスクだけを表示

少しだけ戻したい、少しだけ消したい、という程度なら、「選択とマスク」を開かずに、マスクにブラシで直接塗るほうが早いこともあります。

  1. レイヤーパネルでマスクのサムネイルをクリックして選ぶ
  2. ツールバーからブラシツール(B)を選ぶ
  3. 描画色を白にして塗ると、隠れていた所が戻る
  4. 描画色を黒にして塗ると、残っていた所が隠れる

白と黒は X キーで入れ替えられます。縁をなじませたいときは、ブラシの硬さを下げてぼかし気味にすると自然になります。

作業中に便利なのが、マスクのサムネイルのクリック操作です。Shift+クリックでマスクが一時的にオフになり、元の写真全体を確かめられます(もう一度 Shift+クリックで戻る)。Alt+クリック(Mac は option+クリック)では、マスクそのものが白黒で表示されるので、塗り残しの点が見つけやすくなります。

うまくいかないときのヒント

  • 最初の切り抜きの精度を上げたい:公式ヘルプによると、「被写体を選択」と「背景を削除」は、環境設定の「画像処理」で、処理をデバイス(速い)かクラウド(より細かい結果)か選べる。クラウドのほうが縁がきれいになることがある
  • 全部やり直したい:マスクのサムネイルを右クリックして「レイヤーマスクを削除」すれば、元の写真に戻る。マスクを捨てるので、残しておきたいときは先にレイヤーを複製しておく
  • 背景を別の物に差し替えたい:新しめのバージョンでは、背景を削除したあとにコンテキストタスクバーから「背景を生成」を選ぶと、文章で指定した背景を作れる(生成機能はインターネット接続と生成クレジットを使う)。切り抜いた物の下に新しいレイヤーを置いて、写真や色を敷くこともできる
  • 「背景を削除」のボタンが見つからない:画像のレイヤーを1枚選んだ状態で、コンテキストタスクバーやプロパティパネルの「クイック操作」を探す。見つからなければ、画面右上の検索で「背景を削除」と入れる

まとめ

  • 「背景を削除」はレイヤーマスクで背景を隠しているだけ。消えた部分は戻せる
  • 微調整は、マスクを選んで「選択範囲」→「選択とマスク」(Alt+Ctrl+R)
  • 表示モードをオーバーレイにして、+で残す所、-で消す所をなぞる
  • 髪の毛はサイズ1で少しずつ、または境界線調整ブラシ・「髪の毛を調整」
  • 出力は「新規レイヤー(レイヤーマスクあり)」にすると元の写真が残る
  • 少しだけなら、マスクに白(戻す)・黒(隠す)のブラシで直接塗るのも早い

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